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日経24.6.12 朝刊 厚生年金のパート適用拡大、企業規模要件「撤廃を」

2024年6月12日 日経新聞 朝刊によると、厚生労働省の有識者懇談会は、厚生年金の適用範囲をパート労働者にも拡大するため、従業員数の規模要件を撤廃することを提案しました。この提案は、従業員数に関係なく全ての企業に厚生年金を適用することを目指しています。現在、週の所定労働時間が30時間未満のパートタイム労働者は、従業員101人以上の企業に勤める場合に限り厚生年金が適用されますが、2024年10月からは51人以上の企業に対象が拡大される予定です。

背景と目的

この提案は、パートタイム労働者の社会保障を強化し、将来の年金受給額を増やすことを目的としています。現行制度では、勤務先の規模によって社会保険の適用が変わるため、不公平感が生じていました。この不公平を是正し、すべての労働者に公平な社会保障を提供することが狙いです。

企業側の反応

企業側からは、適用拡大に伴うコスト増加への懸念が示されています。特に中小企業では、厚生年金保険料の負担が経営を圧迫する可能性が指摘されています。一方で、パートタイム労働者の福利厚生が充実することで、労働者の定着率向上や採用競争力の強化につながるとの期待もあります。また、個人事業所における飲食や宿泊業などの非適用業種の解消も求められています。

まとめ

当社労士事務所としては、この変更が中小企業に与える影響を慎重に分析し、適切な対策を講じることが重要だと考えます。具体的には、以下の点に留意すべきです:

1. コスト管理:厚生年金保険料の負担増に備え、企業の財務計画を見直し、効率的な資金運用を図ることが求められます。
2. 労務管理の強化:パートタイム労働者の雇用契約や勤務管理を適切に行い、適用拡大に対応するための体制整備が必要です。
3. 従業員教育:パートタイム労働者に対して、厚生年金制度の意義やメリットを理解させるための教育を行うことが重要です。
4. 労働条件の見直し:パートタイム労働者の待遇改善を図るため、労働条件の見直しや福利厚生の充実を進めることが求められます。

厚生年金のパート適用拡大は、労働者の社会保障を強化する重要な措置ですが、企業にとってはコスト増加などの課題も伴います。

詳細な情報や具体的な相談が必要な場合は、ぜひ当事務所までお問い合わせください。

【引用元】2024年6月12日 日経新聞 朝刊 

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