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新加算の取得に向けて~早見表を中心に(1)

令和6年度の介護報酬改定においては、介護職員の処遇改善を目的とした加算の一本化が行われました。この改定は、旧処遇改善加算、旧特定処遇改善加算、旧ベースアップ等加算を新たな介護職員等処遇改善加算として再編成するものです。この記事では、事務担当者向けの詳細説明資料の1枚目にある「早見表」を中心に、この概要について解説します。

「事務担当者向け・詳細説明資料」より

早見表の構成

早見表は、旧3加算の算定状況に応じて、新加算Vおよび新加算I~IVに移行する場合の要件を一覧にまとめたものです。この表を利用することで、各事業所がどの新加算区分に移行できるか、そのために満たすべき要件が一目でわかるようになっています。

表の構成は以下の通りです:

旧3加算の算定状況

事業所が現在算定している旧処遇改善加算、旧特定加算、旧ベースアップ等加算の状況を示します。

新加算V

令和6年度中に算定可能な経過措置としての新加算Vの区分を示します。これにより、事業所が経過措置期間中に移行する加算区分がわかります。

新加算I~IV

令和7年度以降、新加算I~IVへの移行に際しては、事業所ごとに異なる要件を満たす必要があります。例えば、新加算Iを算定する場合、次のような要件があります:

1.月額賃金改善要件

介護職員の基本給や毎月支払われる手当の改善を求める要件です。例えば、新加算IVを算定する場合、その加算額の1/2以上を基本給等の改善に充てる必要があります。

2.キャリアパス要件

任用要件・賃金体系の整備、研修の実施、昇給の仕組みの整備など、職員のキャリアアップを支援するための要件です。

3.職場環境等要件

職場環境の改善を目的とした要件で、区分ごとに具体的な取り組みが求められます。各区分には、それぞれの取り組み内容が定められており、事業所はこれらを実施することで要件を満たすことができます。

4.見える化要件の実施

ホームページや介護サービスの情報公表制度を活用して、実施している職場環境の改善取り組みを公開します。

 

経過措置の適用

令和6年度においては、経過措置として新加算Vが導入されます。この経過措置により、事業所は旧加算から新加算への移行を円滑に進めることが可能です。新加算Vは、事業所が令和7年度以降の新加算I~IVの要件を満たすための準備期間としての役割を果たします。

この準備期間を通じて、事業所は令和7年度以降にスムーズに新加算I~IVへの移行が可能となります。新加算の取得により、介護職員の処遇改善を実現し、職員のモチベーション向上や離職防止が期待されます。また、事業所全体のサービス品質向上にも寄与することとなります。

次回のコラムでは、具体的な事例を挙げて新加算の取得に向けた取り組みについて詳しく解説します。

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