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宿直

宿直とは、福祉事業所の入所施設などで、通常の昼間の業務が終了した後、夜間に泊り込んで巡回や電話の受信などを行う働き方を指します。特に、宿直業務は以下の条件を満たす場合に、労働基準法で定める労働時間や休日、休憩などの規定の適用が免除されます:

  • 常態として、ほとんど労働をする必要のない勤務であること:宿直中の業務は通常、非常に軽度なものであり、頻繁に労働を伴わないことが求められます。
  • 通常の労働の継続でないこと:宿直業務は通常の勤務時間の延長ではなく、明確に区別された勤務時間である必要があります。
  • 相当の睡眠設備が設置されていること:宿直中に労働者が適切に休息を取れるよう、十分な睡眠設備が提供されていることが必要です。
  • 宿直手当が支払われていること:宿直勤務には適切な手当が支払われ、その額は当該事業所において宿直勤務に就く労働者の賃金の3分の1以上である必要があります。
  • 原則、宿直が1週間に1回以内であること:宿直勤務の回数は、通常1週間に1回を超えないことが原則とされています。ただし、労働密度が低く、労働者保護に問題がないと認められる場合には例外が認められることもあります。

これらの条件を満たし、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合に限り、宿直勤務は労働基準法の労働時間規制の適用を免除されます。しかし、宿直中に通常の勤務と同じ内容の業務に従事した場合、その時間は時間外労働として扱われ、割増賃金の支払いが必要です。

宿日直勤務にあたっての留意事項

宿日直勤務を行う際には、以下の点に留意する必要があります:

  • 頻繁な宿日直業務の回避:労働者が複数の使用者の下で宿日直業務に頻繁に従事すると、通常の勤務と合わせて長時間の拘束につながる可能性があります。これは、労働者の健康やワーク・ライフ・バランスに悪影響を及ぼすため、適切な配慮が求められます。
  • 突発的な業務への対応:宿日直勤務中に突発的な事故や緊急対応が発生した場合、本来の勤務時間に行うべき業務に従事した時間については、労働基準法36条による時間外労働の手続きが必要となります。また、労働基準法37条に基づく割増賃金の支払いが必要です。
  • 許可内容の遵守:労働基準監督署長からの許可を得た後も、宿日直勤務は許可基準に適合するよう実施する必要があります。人員の異動や業務内容の変更に伴い、宿日直勤務が通常勤務時間と同様の業務になる場合は、勤務内容の見直しが必要です。

宿直手当について

宿直手当は、その事業所において宿日直勤務をする可能性がある労働者の賃金基礎額の3分の1以上が支払われる必要があります。また、宿直の回数については、週1回が原則であり、特定の条件を満たす場合のみ例外が認められます(昭和49.7.26 基監発27号)。

宿直に関する詳細な基準や申請手続きについては、東京労働局資料の「労働基準法の宿日直許可のポイント」をご参照ください。詳しくは以下のリンクからご確認いただけます: 労働基準法の宿日直許可のポイント.

当事務所では、宿直勤務に関する相談や許可申請のサポートを行っています。宿直勤務の適切な運用や労務管理に関するご相談がありましたら、ぜひ当事務所にご連絡ください。私たちは、皆様の労務管理を全力でサポートいたします。

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