休職・メンタルヘルス|メンタル不調の職員が出勤してこない場合、どのように対応すべきですか?

原則として、安否確認と体調確認を行い、必要に応じて休職制度の活用を検討します。
連絡が取れない場合は、安否確認を目的として自宅訪問や緊急連絡先への連絡も選択肢に入ります。その上で、医師の診断書が提出された場合には、就業規則の定めに従い休職の取り扱いが必要です。

安否確認と体調確認の実施

  • まず、職員本人への連絡(電話・メール等)を試み、安否と体調の確認を行います。
  • 連絡が取れない場合は、緊急連絡先や自宅訪問など、安否確認を目的とした追加対応を検討します。

欠勤理由の把握と対応

  • 欠勤がメンタル不調によるものである場合、本人の状況を十分に把握し、無理な出勤要請は控えるべきです。
  • 医師の診断書が提出された場合は、就業規則や休職規定に基づき、休職制度の活用を検討します。

裁判例に基づく留意点

  • 最高裁平成24年4月27日判決(日本ヒューレット・パッカード事件)では、精神的な不調で欠勤が続く労働者に対し、会社は直ちに懲戒処分や解雇を行うのではなく、精神科医による健康診断の実施や、必要に応じた治療・休職措置を講じるべきとされています。
  • このような配慮を欠いたまま「無断欠勤」として懲戒処分を行うことは、適切な対応とは認められず、処分が無効と判断される場合があります。

通達・厚生労働省Q&A・ガイドライン

  • 厚生労働省「こころの耳」Q&Aでは、職場のメンタルヘルス不調者への対応として、安否確認・体調把握・必要に応じた産業医等との連携や休職制度の活用が推奨されています。
  • また、昭和23年11月11日基発1637号通達では、正当な理由なく2週間以上無断欠勤し、出勤要請にも応じない場合は解雇が可能とされていますが、メンタル不調など正当な理由がある場合は慎重な対応が求められます。
  • 厚生労働省の「職場復帰支援の手引き」でも、主治医の診断や本人の状況を踏まえた休職・復職支援の重要性が示されています。
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